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カシメ(リベッティング)とは?

カシメとは?

カシメとは聞き慣れない言葉かもしれませんが、「加締める」と書けばイメージできるでしょう。
2つのパーツを、塑性変形を利用して接合させます。塑性(そせい)とは、力を加えて変形させたとき、永久変形を生じる物質の性質のことを指し、半永久的に接合することができます。

リベッティング・マシン(カシメ機)によって、リベットという鋲・びょうの頭部のみを変形させて接合させるので仕上がりもきれいです。
リベッティング・マシンには、動力源に空圧、油圧を使用するものから、電動サーボタイプがあります。極小の精密部品の作業にも対応でき、私たちの暮らしに欠かせない様々な製品のモノづくりを支えています。

こんなところにカシメ

かしめと聞いてまだぴんと来ていない方もいらっしゃると思いますが、皆さんの生活の周りを見渡すと色んな製品にかしめを見つけることができるんです。
例えば、自動車部品では使用される箇所が多く、ドア、シート、ワイパー、シートベルト、ハブベアリング等、

また、航空機、船舶、鉄道車両、自転車、タービン、介護用ベッド、内視鏡、パソコン、カメラ、空調設備、脚立、包丁、義肢、マンホール蓋、手錠…など
その他にも「こんなところにまで!?」と思われる部品にも使われています。

リベッティング・マシンが使用されている部品

カシメの種類

①ブラインドリベット

精密板金の部品組立時に溶接の代わりに使われる技術を指します。
熱を加えないことから溶接と比較しても歪みの発生がなく、品質向上につなげられます。さらに、溶接ができない材質などの時にも使用できる技術です。

②プレスカシメ

プレス機・プレス治具等を用いて接合する部品の一部を加圧して潰すカシメ加工方法の総称です。
主に、リベットやハトメ、ナット等の副資材を垂直に加圧して潰す方法のほか、板金そのものをプレスしてカシメる以下のような方法があります。

プレスカシメのメリット/デメリット

③リベッティング(スピンカシメ)

精密板金の部品の組み立てで用いられるカシメ加工のひとつ。
回転したインサート(ポンチ)によってリベット(ピン)の先端を加圧し、変形させることで複数の部品を接合します。インサート(ポンチ)によって、山形、丸形、平形、鍋形など、様々なリベット形状に仕上げられるのが特徴です。

プレスカシメの「メリット」「デメリット」

メリット

溶接に適さない組み合わせの金属を締結できたり、溶接すると変色してしまう塗装鋼板を締結できたりするメリットがあります。
溶接と違い、作業者の技術によって仕上がりが大きく左右されることもありません。また、プレスカシメは金属そのものを変形させるため、振動しても接合部がゆるみません。接合部がゆるむ可能性のあるボルトやナットと比べると、メンテナンスにかかる手間・コストを削減できるでしょう。

デメリット

取り外しやすいネジやボルトと違い、一度カシメると部品を破壊しない限り分解できないデメリットがあります。締結後に組み替える可能性がある場合は、ボルトやネジを使用したほうが良いでしょう。

また、プレスカシメは一点に強い圧力を加える加工方法なため、カシメる際に大きな音と振動が発生します。リベッティング(スピンカシメ)に比べるとリベット軸が太くなるので、固くカシメられる反面、接合部の遊びがなくなるデメリットも。接合部の可動性を求める場合は、リベッティング(スピンカシメ)のほうが良いでしょう。

リベッティング(スピンカシメ)の「メリット」「デメリット」

メリット

小さな力でカシメられるのが強み。インサート(ポンチ)を回転させながらリベットの表面に満遍なく力を加えられるため、ズレや潰れが生じにくいメリットがあります。また、溶接と違い、リベットと接合部分に隙間を確保できるので、可動部の接合(例:ハサミ等)にも適しています。

また、カシメる箇所・求める強度に合わせて使用するリベットの素材を適宜変えられるのもポイント。使用する部品によってはコスト削減できます。

デメリット

リベットを使用せずに金属板を直接カシメるハゼ折カシメやバーリングカシメに比べると、リベットを使用する分コストがかかります

さまざまな接合方法

ネジ・ボルトで固定する

簡単な工具で組み立てられ、完成後も分離や解体が容易にできるので、メンテナンスが必要な個所をはじめ、接合加工の代表格といえます。

デメリットとしては、部品が細かく、多くなることと、またトラブルの原因として「ネジが外れて‥」というケースがあるように、振動でゆるむなど強度信頼性には限界があります。

接着剤を使う

工作やDIYでおなじみの接着剤は、部品の形を変えることもなく、アルミとプラスチックなど異なる素材同士も接合でき、また新たな部品も必要としないことから、多くの工業製品に活用されています。

接着剤というと、ボンドや瞬間接着剤をイメージしますが、素材や用途等によって何万種類にも分類されます。その種類の多さから、精密な工業製品においては接着剤の選定には知識が必要ですし、耐熱性や耐用年数にも注意する必要があります。

はんだ付け

学校教育でも取り上げられるはんだ付けは、鉛とスズの合金を溶かして付着させ、合金層という層をつくることによって接合させます。低温での接合ができるので、電子機器の表面などに多用されています。

また、融点の低い合金(ロウ)を溶かして流し込む方法もあります。簡単に接合できる反面、送るはんだ量が少ないなどで不良が出ることがあり、強度は高くないので、活用箇所は限られます。

溶接する

金属の特性を生かし、熱(あるいは圧力)を加えることで、必要によって溶加材を加えて接合します。はんだ付けとは異なり、母材自体を溶かして固めるため、加工後の分離や解体はできません。

溶接のエネルギー源はガスの火、電弧、摩擦熱、超音波などさまざまで、昨今では電子ビームやレーザによる技術も登場しています。デメリットとしては、製品の重量が重くなる、作業者の技能によって仕上がりに差が出る場合があります。

リベッティング・マシン(カシメ機)の種類

吉川鐵工では以下のように電動、油圧、空圧のタイプを提供しており、それぞれ用途や作業規模に応じて使い分けられています。
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