
製造業における品質保証やトレーサビリティの重要性が増す中、電動カシメ機は「より高精度でデータ管理ができる」と注目されています。
油圧式が「圧倒的なパワー」、空圧式が「導入コストの低さ」で選ばれるのに対し、電動式はサーボモーター制御による精密な加工と数値管理・データ出力による品質保証が強みです。
この記事では、電動カシメ機ならではの強みを中心に、カシメ機(リベッティング・マシン)の専門メーカーである吉川鐵工株式会社が、他方式との比較や選び方などをわかりやすく解説します。
そもそもカシメ機(リベッティング・マシン)とは?3つの駆動方式を解説

カシメ機は部品を固定する機械
カシメ機とは、リベット(鋲)などの部品の特定の箇所を塑性変形させて、複数の部品を強固に結合するための装置です。
カシメには、圧力で押しつぶす直圧カシメ(プレスカシメ)と、回転しながら成形するリベッティング(スピンカシメ)の2方式があり、用途や材質によって使い分けられます。
この接合方法は、溶接のように熱を加えないため、素材への影響や変形がありません。
また、ねじ止めのように振動で緩む心配も少なく、信頼性の高い固定が可能です。
そのため、身近なところではハサミ、フライパン、キャスターなど、強度や耐久性が求められる箇所の組み立てに広く利用されています。
駆動方式は「電動式」「油圧式」「空圧式」の3種類
カシメ機を動かす動力源(駆動方式)は、主に「電動式」「油圧式」「空圧式」の3種類に分けられます。それぞれ制御の精度、生み出せるパワー、導入コスト、作業環境への影響などが大きく異なるため、自社の目的に合わせて最適な方式を選ぶことが重要です。
電動式と他の方式(油圧式・空圧式)との違いは?
電動カシメ機はサイクルタイム短縮に貢献します。
加工スピードやスタート位置を自由に設定できるため、従来の油圧式・空圧式と比べて効率的な生産が可能です。
電動カシメ機は、高精度な制御とデータ管理に優れた次世代型カシメ機です。
サーボモーターの回転を精密に制御することで、高い繰り返し精度の加工を実現し、同時に加工品質データの収集・管理も行えます。
メリット: 精密な制御、加工データの記録による品質の見える化、プログラム登録による段取り替えの容易さ、作動油不要でクリーンな作業環境。
デメリット: 初期導入費用が比較的高価、高機能な分システム操作の習熟が必要な場合がある。
電動カシメ機の特徴をより深く理解するために、他の駆動方式である「油圧式」「空圧式」との違いを比較してみましょう。
油圧カシメ機は、油の圧力を利用して非常に大きな力を生み出せるのが最大の特徴です。厚い材料や硬い金属部品のカシメに適していますが、油圧ユニットの設置スペースや定期的なメンテナンスが必要になります。
空圧カシメ機は、圧縮空気を動力源とし、比較的小さく安価に導入できることとメンテナンス性の高さがメリットです。ただし、出せる力には限界があり、精密な制御は電動式に劣ります。
▼各方式の強みまとめ
このように、それぞれの方式に得意な領域があります。
大きな加圧力が必要な場合は、油圧カシメ機が有力な選択肢となります。詳しくは「油圧カシメ機は強い加圧力が魅力|空圧・電動との違いや活用事例を紹介」をご覧ください。
また、導入費用やシンプルさを重視するなら空圧式という選択肢もあります。「空圧カシメ機の強みはコストとメンテナンス性|油圧・電動との違いや選び方を解説」をご覧ください。
なぜ今「電動カシメ機」が注目されるのか?導入のメリット

比較表からも分かるように、電動カシメ機は多くのメリットを持ちますが、特に「品質管理」「生産性」「作業環境」の3つの観点で製造業の課題解決に貢献するため、近年注目されています。
メリット1:数値管理による品質の安定
加える力や深さを数値で厳密に管理・再現できるため、作業者の経験や勘に頼ることなく、常に安定した品質を実現できます。加工データを記録・出力できるため、品質管理の工数削減やトレーサビリティ確保にも繋がります。
メリット2:段取り替えの短縮による生産性向上
製品ごとの加工条件をプログラムとして登録しておけば、品種を切り替える際に呼び出すだけで設定が完了します。これにより、多品種少量生産で頻発する段取り替えの時間を大幅に短縮し、設備の稼働率を高めます。
メリット3:クリーンで環境に優しい
動力は電気のみで、油圧ユニットやコンプレッサーが不要です。油漏れや騒音、廃油処理の問題がないため、作業環境をクリーンに保ちます。クリーンルームへの設置にも適しており、企業のSDGsへの取り組みにも貢献します。
▼電動カシメ機の製品一覧はこちら
失敗しないカシメ機メーカーの選び方 3つのポイント
自社の課題に合った駆動方式を見極めたら、次に重要になるのが「どのメーカーから購入するか」です。高額な設備投資で失敗しないために、メーカーを選ぶ際に確認すべき3つのポイントをご紹介します。
ポイント1:課題に合った駆動方式を中立的に提案できるか
特定の駆動方式しか扱っていないメーカーの場合、その方式が自社の課題に最適でなくても、自社製品を勧められる可能性があります。
本当に自社に合った一台を選ぶためには、電動・油圧・空圧といったすべての駆動方式を扱っている総合メーカーに相談するのが理想です。そのようなメーカーであれば、各方式の長所・短所を公平に比較し、中立的な立場で最も良い解決策を提案してくれます。
吉川鐵工株式会社では、すべての駆動方式をラインナップ豊富に取り揃えています。
ポイント2:生産ライン全体の相談に乗れるか
生産性を最大限に高めるには、カシメ機単体の性能だけでなく、その前後の工程との連携が鍵を握ります。
「カシメ機を導入したけれど、部品供給が追い付かず、結局生産性が上がらなかった」という事態を避けるためにも、生産ライン全体の自動化・省力化まで見据えた提案力を持つメーカーを選びましょう。
例えば、カシメの品質を左右する先端工具「インサート」の設計・製作実績が豊富であったり、カシメ機を組み込んだ自動組立機をオーダーメイドで構築できたりするメーカーは、深い知見と高い技術力を持っている証拠です。
吉川鐵工株式会社では、これらの提案が可能です。
ポイント3:導入前に「無料試作」で性能を確認できるか
最も確実なのは、カタログスペックの確認だけで終わらせず、導入前に実際の製品(ワーク)を使って試作やテストができるメーカーを選ぶことです。
実際に試すことで、最適な加工条件やカシメ後のリアルな仕上がり品質を確認でき、「こんなはずではなかった」という導入後の失敗リスクを限りなくゼロに近づけられます。
吉川鐵工株式会社では、大阪・東京・名古屋の3拠点にて、このような無料のカシメ試作サービスを提供しています。専門の技術者に直接相談しながら仕様を決める前に不安を解消できるため、安心して導入を進めることができます。
電動カシメ機の導入のご相談は吉川鐵工株式会社へ

こちらの記事では、電動カシメ機を中心に、駆動方式ごとの違いから失敗しない選び方までを解説しました。最後に、重要なポイントを振り返ります。
カシメ機の駆動方式には「電動式」「油圧式」「空圧式」があり、精度・パワー・コストで特徴が異なる
電動式の強みは高精度な制御とデータ管理能力・サイクルタイム短縮であり、品質の安定と生産性向上、クリーンな作業環境を実現する
メーカーを選ぶ際は ①全方式を扱う総合力、②ライン全体の提案力、③導入前の無料試作が行えることに着目して選定する
カシメ機の選定は、企業の生産性と製品品質を左右する重要な設備投資です。こちらの記事で紹介したポイントを参考に、ぜひ貴社に最適な一台を見つけてください。
「どの機種が自社に合うか分からない」「まずは実際の仕上がりを見てみたい」とお考えなら、専門家への相談が最も確実な一歩です。
まずは吉川鐵工株式会社にお気軽にお問い合わせください。貴社にぴったりなご提案をさせていただきます。

