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高硬度材におけるリベッティング加工の課題

 チェーンの軸部の加工にリベッティングを採用されています。チェーンの軸部は駆動する支点となるため、耐久性を重視して一般的には高硬度材(HRC40程度)が採用される為、 非常にリベッティング加工が困難な材質です。
 ピンの硬度が上がると耐久性が上がり、耐摩耗性能は向上するのですが、リベッティングにおいてはプレスの一種でピンに圧力による負荷をかけていくので、ピンの割れや欠けによる不良リスクが非常に高くなります。
 そのため同社では長年、"叩きカシメ機"と呼ばれる打撃式のカシメ機により、円周上に加圧していく機械を使用されていらっしゃいましたが、以下の課題を抱えていらっしゃいました。
 これらの課題により、作業者の安全性、作業効率、作業環境への影響だけでなく、安定生産へのリスクとなっていました。 

1.段取り替えが非常に大変

 ・特定の作業者しか段取り替えできず職人技となってしまっていた
 ・作業者が休むと工程が止まるリスクがあった
 ・マニュアルや手順書も存在せず、作業者によって品質にバラつきがあった

2.設備老朽化

 ・旧設備は年式も古く、補修部品が高価または入手困難になってきており、
  仮に故障した場合に復旧まで時間を要する可能性があり、安定生産へのリスクの一つとなっていた

3.加工時の騒音(作業環境)

 ・旧設備では、打撃式による金属(ピン)を叩きながら変形させる為、
  工場内で1,2を争うほどの騒音を発する設備で、稼働中は会話ができないほどだった

リベッティング・マシン導入の経緯

 10年程前に吉川製のUS-70を譲り受けており、”リベッティングカシメ機”の存在は知っていたものの、「高硬度材のカシメは推力不足でできない」という固定観念から、採用までは検討されてなかったそうです。
 ただ、当社の担当営業から「高硬度材でも実績があるのでまずは試作トライをされてみてはいががか?」という提案を受けたことをきっかけに検討が始まりました。
 サンプルのワークをお預かりし、吉川社内で実機にて試作を行った上で、加工後のワークにてご評価いただきました。結果は、試作品の加工形状が想像以上に綺麗で、さらに加工条件やワークの受け方、治具に関することまで総合的なサポートを受けたことで安心して設備導入を決断いただけました。

ローリングカシメによる高硬度材のリベッティング加工
Before
After

リベッティング・マシン導入効果

・脱属人化

 段取り作業が容易で機械操作が非常にシンプルなため、作業者を選ばずに工程に最適な人員配置が可能となりました。
 また以前は作業者の感覚で加工条件を決めていたため、品質や生産性に作業者間のバラつきが生じていましたが、
 各条件を数値化できることで「誰が作業しても同じ品質」を実現できました。

・不良率低減と安定品質

 従来の叩きカシメ工法では、ピン加工時に微細な変形が生じるリスクがありました。
 一方、リベッティングカシメ工法では、推力をピン先端部のみに集中させることで、ピンへ与える負荷を最小限に抑え、安定した品質を実現しています。
 また、加工面も非常に美しく仕上がるため、製品の外観品質の向上にも貢献しています。

・作業環境の大幅改善

 "叩きカシメ機"に比べYOSHIKAWAのリベッティング・マシンは稼働音が静かで、作業環境も改善されました。

今後の展望

 吉川製リベッティング・マシンの導入により、これまでの3台体制を1台に集約できるほどの生産性向上を実現されました。また、カシメ加工の対応範囲が広がったことで、受託可能な加工の幅も拡大し、今後の受注増加につなげていきたいとのことです。
 同社は機械加工、板金、溶接、プレス、組立の一貫受託体制を強みとしており、今後さらに多品種少量化が進む中でも、海外市場への販路拡大を進めていく方針です。
 吉川鐵工は主にカシメ工程を担当させていただいておりますが、確かな接合技術を通じて製品に付加価値を提供し、徳野製作所様のさらなる発展の一助となれれば幸いです。

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