接合方法とカシメ機の話

モノづくりに欠かせない、部品と部品をくっつける技術「接合」についてまとめました。

私たちの周りにあふれる工業製品は、多くの精巧な部品でできています。単に製品の機能をはたすだけでなく、熱や水に強かったり、自動車や航空機の部品のように絶対に外れてはいけないなど、部品に求められる要素は多岐にわたります。

では、その部品と部品とは、どのように組み合わされ、《くっついている》のでしょうか? 製品の質を保証するさまざまな接合方法から、ものづくりの根幹を探っていきましょう。

さまざまな接合方法

ネジ・ボルトで固定する

リベッティングマシン

簡単な工具で組み立てられ、完成後も分離や解体が容易にできるので、メンテナンスが必要な個所をはじめ、接合加工の代表格といえます。

デメリットとしては、部品が細かく、多くなることと、またトラブルの原因として「ネジが外れて‥」というケースがあるように、振動でゆるむなど強度信頼性には限界があります。

接着剤を使う

リベッティングマシン

工作やDIYでおなじみの接着剤は、部品の形を変えることもなく、アルミとプラスチックなど異なる素材同士も接合でき、また新たな部品も必要としないことから、多くの工業製品に活用されています。

接着剤というと、ボンドや瞬間接着剤をイメージしますが、素材や用途等によって何万種類にも分類されます。その種類の多さから、精密な工業製品においては接着剤の選定には知識が必要ですし、耐熱性や耐用年数にも注意する必要があります。

はんだ付け

リベッティングマシン

学校教育でも取り上げられるはんだ付けは、鉛とスズの合金を溶かして付着させ、合金層という層をつくることによって接合させます。低温での接合ができるので、電子機器の表面などに多用されています。

また、融点の低い合金(ロウ)を溶かして流し込む方法もあります。簡単に接合できる反面、送るはんだ量が少ないなどで不良が出ることがあり、強度は高くないので、活用箇所は限られます。

溶接する

リベッティングマシン

金属の特性を生かし、熱(あるいは圧力)を加えることで、必要によって溶加材を加えて接合します。はんだ付けとは異なり、母材自体を溶かして固めるため、加工後の分離や解体はできません。

溶接のエネルギー源はガスの火、電弧、摩擦熱、超音波などさまざまで、昨今では電子ビームやレーザによる技術も登場しています。デメリットとしては、製品の重量が重くなる、作業者の技能によって仕上がりに差が出る場合があります。

カシメ

リベッティングマシン

カシメとは聞き慣れない言葉かもしれませんが、「加締める」と書けばイメージできるでしょう。

2つのパーツを、塑性変形を利用して接合させます。塑性(そせい)とは、力を加えて変形させたとき、永久変形を生じる物質の性質のことを指し、半永久的に接合することができます。

リベッティングマシン(カシメ機)によって、リベットという鋲・びょうの頭部のみを変形させて接合させるので仕上がりもきれいです。

リベッティングマシンには、動力源に空圧、油圧を使用するものから、電動サーボタイプがあります。極小の精密部品の作業にも対応でき、私たちの暮らしに欠かせない様々な製品のモノづくりを支えています。

リベッティングマシン(カシメ機)の種類

吉川鐵工では以下のように電動、油圧、空圧のタイプを提供しており、それぞれ用途や作業規模に応じて使い分けられています。